こんにちは!
本日は我々がどんなことを考えて家づくりをしているか
ちょっとお伝えしてみようと思います。
家をつくる際、まず考えるのは間取りや広さなど
家の中に関する情報を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
一方、私たちがまず家づくりに際しての第一歩として何をするかというと
どういった敷地なのかということを調べます。
役所に行って、その敷地がどういった敷地なのか調査したり
実際現地に行って周りにどんな建物が建っているのか見に行ったりします。
そこで本日のお題です。
窓から入ってくる情報は様々です。
都心部の場合、リビングの窓を開けたらお隣さんの洗濯物。。
そんな事態は避けたいですよね。
ネガティブな事を避けるのはもちろんですが
窓は豊かな自然や綺麗な夜景を切り取る枠として使いたいと思っています。
「借景」という言葉を常に考えながら私たちは設計しています。
作:日比
施工事例
H邸 奈良県高市郡明日香村
H邸 奈良県高市郡明日香村 2015年9月竣工
建築地は奈良県の中でも歴史的風土が国家的に重要なものと位置付けられるような地域であり、実際現地の回りには古墳や遺跡等が随所に見られる。
周囲の住宅も純和風の美しい住宅が立ち並んでおり、場所と建物との関係性が非常に深い。
今回の建築計画についても景観条例等の制約の中での計画ではあったが、本来建築とは人と場所とを結びつけるものであり、周囲の景観と一体となって建築を計画するのは自然な流れであるといえる。
またその空間では屋外の豊かな自然が、外的要因として内部にも効果的に干渉しており、自然との一体化を図っている。
日本人であれば理由はなくとも落ち着く空間が軒下であり縁側なのだと改めて感じた。
軒の深いバルコニーは、夏の直射日光を防ぎ、冬の太陽光は室内に届ける
H邸
所在地/奈良県高市郡
主要用途/専用住宅
家族構成/3人
■設計・施工
設計 Studioわらび
構造 Studioわらび
施工 柏・建築工房
構造・構法 主体構造・構法 木造在来工法
基礎 べた基礎
■規模
階数 地上2階
軒高 6,487mm 最高の高さ 8,200mm
敷地面積 603.48㎡
(建蔽率 15.40% 許容 70%)
延床面積 128.55㎡
(容積率 21.30% 許容160%)
1階 92.95㎡ 2階 35.60㎡
■工程
設計期間 2014年6月~2015年5月
工事期間 2015年6月~2015年9月
敷地条件
市街化調整区域 法22条地域
第3種風致地区 歴史的風土保全地区
道路幅員 西4.00m
屋根について
こんにちは。
本日は久しぶりに建物のお話です。
今まで建物を基礎から順番にご説明してまいりましたが
いよいよ一番上に到達しました。
屋根といえば雨から家を守るのが一般的ですが
最近は突発的な暴風も多く、風により飛ばされないことも
屋根材の必須条件となります。
最近では瓦を使用した純日本風の住宅は新築では見かけなくなりましたが
和瓦の持つ美しさは洋瓦にはないものだと思います。
弊社が過去に設計しましたH様の建築する地域では
歴史的な景観を守るために和瓦を使用することが義務付けられた地域でもありました。
完成した御宅は周囲の景観と調和の取れた美しい建築となりました。
また、屋根の表だけではなく裏にも注目してみてください。
H様邸では軒のスペースを深く取ることで、夏の日差しを遮る効果があります。
なおかつ軒裏には杉板を張ることで見た目にも美しい仕上げとなりました。
作:日比
身近であまり知られていないもの
こんにちは。
今回は皆さんの回りに必ずあるものをご紹介いたします。
それは「せっこうボード」です。
せっこうボードは住宅の壁や天井の下地材として使用される材料です。
美術室にある彫刻に使われているせっこうを板状にしたものです。
皆さんのお部屋のクロスの1枚内側はほとんど全てこの石膏ボードが使われています。
また、店舗やオフィスビルではせっこうボードが仕上げとして使われている例もたくさんあります。
そもそもせっこうが建築資材として使われだしたのは紀元前7000年の古代エジプト
までさかのぼります。
あの有名なクフ王のピラミッドの石棺やクレオパトラのワインの杯等もせっこうだったそうです。
日本では大正の元年から工場生産が始まったそうです。
ちなみにせっこうボードは別名PB(プラスターボード)とも呼ばれます。
これは当時のせっこうボードの製法が、せっこうを泥状にしたものを流し込み
天日干ししていたことから
「塗りつける」を意味する「プラスター」に関連しているようです。
私も建築現場では見慣れていたせっこうボードがまさか紀元前の頃から
使われていたとは驚きました。
何千年も使われているということはそれだけ優れた材料ということですね!
作:日比
住宅の穴について
こんにちは。
本日は住宅の「穴」についてお話したいと思います。
「穴」というと悪いイメージがあるかもしれませんが
実際住宅にはキッチンの換気扇やトイレの給排水、
また電気の配線など様々な設備の配管が通っており、
やむを得なく穴があいてしまうのです。
話は変わりますが現代の住宅において断熱性能はとても重要視されています。
この住宅性能を考える時に問題になるのが家の「穴」です。
断熱性の優れた住宅は家全体を断熱材ですっぽり覆うような状態になっており
仕方なくあいてしまう穴にもしっかりと処理を施し、隙間などができないようにします。
窓サッシの隙間に断熱材を小さくちぎって詰め込むことさえあります。
そうした職人さんの努力もあって、冬でも暖かな住宅が作られます。
作・日比